イケメン御曹司に独占されてます
「萌愛は無理!! あそこはこーんな高い塀を乗り越えなくちゃいけないんだから」
そう言って駆け出した、源兄ちゃんとターくんの後を追いかけた。
行く先は分かってる。
ここから少し離れた場所にある、閉鎖された工場跡だ。
あっという間に引き離されたものの、必死で走って追いかけると、既に源兄ちゃんとターくんは工場の中に入ったあとだった。
どうにか中に入れないものかとウロウロしていると、鋭い刺のついた針金——いわゆる有刺鉄線というやつだけれど——が張り巡らされた出入り口を見つけた。
ここなら、通れるかも。
そんな考えで、その隙間にそうっと足を入れてみる。
すると、それを目ざとく見つけたターくんが、慌てたように走ってきた。