イケメン御曹司に独占されてます
私たちの会社は国内随一の鉄鋼ホールディングスの商社で、メーカーの鋼材だけでなく幅広い資材を扱っている。

第三営業部はメイン部署ではないものの、メーカーに直接オーダーを入れて資材を入れる特に大きなプロジェクトを扱う特殊な部署だ。


「沢田や広瀬あたりが回されるんじゃ無いの? あいつらなら根性もありそうだし。まぁ、別の目的もありそうだけど。なにせ、社内一将来有望な男がいる部署だからね」


沢田さんや広瀬さんは同期の中でも特に目立っている、『デキる』感じの人たちだ。
偏差値の高い大学を出ていて、七海子ほどでは無いけれど容姿だっていい。

本人たちにも自信があるのは、その振る舞いで良く分かる。
そして私に対しては、目立つ七海子や野口くんとつるんでいるのが気に入らないのか、何かと嫌味な態度を取ってくる。

『アンタなんて何の取り柄もないくせに、何よ!!』って感じだ。


忙しい部署に配属されれば、きっと私のことなんて構ってられなくなるはず……そんな風に考えると、少しは気持ちが楽になる。
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