今宵、君の翼で


予想外の出来事に、驚きを隠せなかった。


陽菜が私に話しかけるのは久しぶりだったから。


「え……?」


「寝に来たんでしょ? ベッド空いてるよ」



少し照れくさそうに、隣のベッドを指さした。


それって、一緒にいてもいいってこと?


嬉しくて、思わず笑顔になってしまう。



「う、うん!」



保健室の先生は不在で、私と陽菜だけしかいなかった。


もっと陽菜と話したいな。




「あのさ」


その時、陽菜が突然話しかけてきた。


「え!? 何!?」


「翼とうまくいってんの?」



陽菜は仰向けで天井を見ながら話している。



「ちょっと色々あって……今は会ってない」


「そう……この前集まったとき、翼違う女といたから」


「うん……」


私が黙っていると、陽菜がこっちを向いた。


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