今宵、君の翼で


学校はできるだけ行くようにしていた。


頭悪いのに留年なんかしたらますます就活に響くし。


でもマン喫ではなかなかぐっすり眠れないから、たまーに授業をサボって保健室へ行くこともあった。



この日も私は保健室に向かっていた。


マン喫もそろそろ限界だな……


狭いし煙草クサイし……睡眠不足が続いている。




ガラッ



保健室のドアを開けてドキッとした。


そこにはもう一人生徒がいた。


見覚えのある後姿……陽菜だった。



目が合ってしまい、お互い気まずい雰囲気。


陽菜も寝に来たのか、ベッドに座っている。


以前はこうやって二人でサボってたんだけどな。


しょうがない、屋上で寝るか……


ドアを閉めようとしたら「待って」と呼び止められた。


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