今宵、君の翼で



『翼くんと共に幸せになりなさいね。美羽の幸せはお母さんの幸せだから。この先色々なことがあるかもしれないけど…周りに惑わされず、後悔しないように生きなさい。お母さん、ずっと美羽のそばで見守ってるからね…大好きだよ、美羽』


動画は最後、母の笑顔で締めくくられた。


私は涙で顔がボロボロだった。


お母さんが翼のことを認めてくれた。


ありがとう。


お母さん、ありがとう。



親不孝もので、色々と至らない娘だったけど…


私の幸せがお母さんの幸せなんだよね…?


それなら私は絶対に幸せになってみせる。


翼と一緒に。



動画が終わった後、翼がゆっくりと私を抱きしめた。

「ありがとう…翼。お母さんと、会ってくれて本当にありがとう…」



「うん…美羽の母ちゃんのためにも、絶対幸せにする」


私は翼の胸の中で頷いた。



「でも…それにはまず俺がしっかりケジメつけなきゃなんねぇ。じゃないと美羽を幸せにできねぇし、俺が幸せになる資格なんてない。美羽にはまた辛い思いさせるかもしんない…それでも、ついてきてくれるか?」


< 188 / 230 >

この作品をシェア

pagetop