今宵、君の翼で


「担当の人?」


「ああ、俺にずっとついててくれた人。俺の事高く評価してくれて…あの時美羽と面会できたのも、その人のおかげでもあんだよ」


「そうだったんだ…」


「でもさ、俺も必死で頑張った。自由時間もずっと勉強して、今までじゃ考えらんねぇくらいクソ真面目にやってきた。また世の中に出ても恥じないように…」


「わ、私も!!私もね、翼と会えない時間勉強とバイト頑張って…翼と次に会った時にイイ女になっていようって決めたの」


「いい女?」


「うん!翼に捨てられないように…しっかりしなきゃって…」


「捨てるわけねぇだろーがよ!」


わしゃわしゃと私の頭をもんでくる。


「俺は…お前に会えない間、ずっともらった手紙読んでた。毎日…ボロボロになってもポケットに入れてた。そのおかげで頑張れたんだよ」


「そうなんだ…うん、よかった…本当に…」


私は再び翼に抱きついた。


懐かしい翼の香り…


私の好きな、潮の香り…






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