Heaven~第ニ章~
「椿さん、5番テーブルにお願いします」

「はい、じゃあ、ちょっと行って来ますね」

「早く戻ってよ」

「分かってますよ」

男の膝に触れニッコリ笑って男の元を離れた。

よし!次は5、5……
そのテーブルに視線を向けると、両脇にヘルプの女の子。
キャッキャッとはしゃぐ姿。

男が私の視線に気付くと「おぅ!」と右手を上げた。
そのテーブルまで行き「今晩」とニッコリ笑ってみせた。

「笑ってるし」

男は私を指差し笑う。

「ヤダー蓮沼さん!椿ちゃんだって笑いますよ」

「そうか?いつもこんなんだろう?」

そう言って眉間にシワを寄せて見せた。

私の真似なんだろうけど笑えないし……
って言うか、店にまで来て欲しくないんだけど……

< 12 / 231 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop