Heaven~第ニ章~
「突っ立てねーで座れよ」

そう言って自分の隣をポンポンと叩く。
だけど、蓮沼の隣にはまだ女の子が居る。

蓮沼は気がついたように「どけ」とさっきまで一緒にはしゃいでた女の子の肩を押した。

え?と動揺する女の子に少しながら同情した。

「指名したのは椿なんだよ。椿が来たらさっさと退けよ。気がきかねーな」

「あっ、すみません」

そう言ってから「ご馳走様でした」と蓮沼の隣から立ち上がった。

もう……
面倒は起こさないで欲しい。
こんなことで揉めるなんて、もうごめんなんだけど……

昔の出来事が脳裏を掠めながら蓮沼の隣に座った。

「今日はどうしたんですか?」

蓮沼がタバコを加えたから、そう聞きながらタバコに火を付けた。

「慣れてんな」

「半年も働けば慣れますよ」

「慣れんのも良し悪しだな」

蓮沼は切ない笑みを浮かべ煙りを吐き出した。


< 13 / 231 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop