Heaven~第ニ章~
「おはようございます」


久しぶりの昼間のバイト。



「おはよう。椿ちゃん」



ここは夜の女の世界とは違う。
多少なりのいざこざはあっても、
あそこまで酷いことはない。


そして何よりここには、獅朗達のことを知っている人が居ない。
それだけで、私の心は軽かった。
私を"椿姫"なんて呼ぶ奴は居ない。



「あっ、椿ちゃんが休んでる時、椿ちゃんのこと訪ねて着た人居たよ」

「私を?」

「うん。名前は聞かなかったんだけど、聖林中学の制服だったかなぁ」

「聖林?」

「そう、聖林。知ってる人?」

「聖林に知り合いなんて居ないけど」

「そうなの!知り合いだと思って今日バイトだって伝えちゃったんだけど……」

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