Heaven~第ニ章~
それからは毎日、毎日、忙しく働いた。

あんなに嫌だと思っていた夜の世界へまた舞い戻った。
今度は誰の紹介でもなく、自分で探し自分で決めた。

そして昼間は駅前のカラオケ屋でバイトをした。


考える時間がないくらい。
起きて働いて、クタクタになって泥のように眠りにつく。


それで良い。
今の私にはまだ
何かを感じる気持ちは邪魔だった。

私は笑ってないといけないんだ。

上辺だけでも良い。
口角を上げ、瞳を細め、
偽りの仮面を張り付け私は笑う。


大丈夫……


まだ笑える。


大丈夫……


一人だって。


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