Heaven~第ニ章~
やっぱりと言うか、
どうしてと言うか、


自分のことが自分の知らない所で知られていることが、こんなに不快だとは思っていなかった。


今までだってあったけど、その時とは違う。


獅朗の誕生パーティーから3日。
たった3日なのに……


「椿ちゃん、ちょっと良い?」

「はい?」

「話があるから事務所の方に」


前の店とは違って、店の女の子とだって当たり障りのないように上手くやってたし、お客さんとだってトラブルはなかった。

だから、店長に呼ばれる心当たりが見当たらない。


「どうしたんですか?」


店長の後に着いて事務所に行くと「ん、まぁ、座って」と歯切れの悪い店長。

店長に言われるままソファーに座ると「椿ちゃんさ……久辺さんとは知り合いなの?」とどことなく遠慮がちに聞いて来た。


「久辺さんって、久辺コーポレーションのですか?」

「ん、」

「……息子さんと知り合いと言うか……どうしてですか?」

「知り合い?ただの?」

「はい」

「そっか……」

「何ですか?」

「こないださ。その息子さんの誕生パーティーに行ってた?」

「はい。行ってましたけど」

「そっか……」

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