束縛
誕生日
毎晩毎晩電話し続けてついに私の誕生日の前日の夜がきた。
もちろんその夜も電話して私はひそかに12時回るのを期待していた。
そして11時59分
私は誕生日のことを忘れゲームに夢中になっていた。
すると12時過ぎるとLINEの音とTwitterの通知の音そして
下手くそなりにかずが誕生日ソングを歌ってくれていた
そんな誕生日初めてですごく幸せでこのままずっと聞いていたいって思った。
そしてその日かずと映画を見に行く事になった
かずは仕事を早く終わらせるつもりが全く終わらなくて私がイオンで待ってると
<ごめん今からタクシーでバタバタくるから>と
ホントに急いで来てくれた
ペンキだらけの作業着、汗でベタベタになった肌、長くてくせっ毛な寝癖と帽子の跡がついた頭、顔にも所々ペンキが付いていた
映画も見れるかギリギリだった
私は
<ねーもう映画良くない?気分じゃなくなった>と気分屋でわがままな私はそんなことをゆった
すると
<せっかくだし見ようよお願いっ>
と頭を下げてきた
そして映画を見ている時いきなり抱きしめられた
それは汗と柔軟剤と塗装のパテの匂いだった
耳元でかずは
<好きやけん俺と付き合って>
不器用なりに照れながら告白してくれた
私は迷わず
<うん!>
とニコニコしながら答えた
そして私達は初めてキスをした
それから手をつないで映画を見た
この手を離したくないと何度も思った
こんな幸せな誕生日初めてだった
そして映画を見てその日は解散した
でもそれから毎日私の家に仕事終わりに来ては終電で帰る毎日が続いた。
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