流れ星に4回目の願いを呟く時。
 写真の中の君に言うよ。笑顔で笑う君が好きだよ。


 カケルがよく聴いていた歌の中で出てくる歌詞で、私もよく聴いた歌だ。


 離れていく恋人を想って、後悔する男性の日々を歌う曲で、最後に2人は結ばれないまま死に別れるという悲しいものだ。その歌手が唯一この世に出した曲であり、唯一ミリオンを記録した曲でもあった。


 その歌手の恋人の実話を元に作られたものらしいが、その歌手は曲を出した半年後に自殺してしまい、その真相は分からない。


 素人目から見ても、特別良い歌声では無く、どちらと言えば弱々しい掠れたような声だった。


 しかしその中に歌詞を超えた儚さとか切なさといったような物が人々の心を魅了し、その年の年間売上最高枚数を記録した。


 人気のある歌番組で、主役のいない表彰式が行われたのを今でもよく覚えている。彼女の歌が流れるだけの時間。鳴り止まないファンの喝采。目頭が熱くなるものがあった。












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