流れ星に4回目の願いを呟く時。
 気が付くと、朝だった。随分と長い夢を見ていたようで、脳は未だどちらが現実で、どちらが夢なのかはっきりしないと言った感じで、身体の先にまで上手く力が入らなかった。


 しかし、目覚めた朝はやけに明るくて、確かに身体は疲れていたが、どこかすっきりした気持ちだった。


 マサヒロとはあの後、卒業式の後の打ち上げで再会した。皆が恋しくなって、帰って来てしまったらしい。


 私は会うのが気まずいと、最初は心配していたが、実際に会うと、普通に友達として会話出来た。


 彼も私も未だ全然若かったのだ。お互いお酒を飲んで文句を言い合い、人目も憚らずに馬鹿笑いした。たった2年くらいしか経っていないのに、人は成長して変わるのだと、改めて気付かされた。


 眠れない夜。忘れゆく夜。


 やはり私も、忘れて行く大勢の中の1人、なのかもしれない。



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