流れ星に4回目の願いを呟く時。
「それではここで、皆さんと同じように今日からこのひかり保育園で一緒に頑張って行く、新しい先生を紹介します。」



 今年度から遂に私も、先輩という立場になろうとしていた。


 ベテランの先生が転勤になり、配置換えもあったことで、年中さんのゆり組は未だ先生が決まっていなかった。


「こんにちは。門内です。」


 門内響子。彼女がこれからゆり組を率いて行く先生だ。


 背が高く、ひょろひょろとしていて、多少弱々しく見えるが、彼女はまるで嘗ての由美子を見ているようだと、園長から太鼓判を押されていた。


 一応、一週間前に顔合わせがあり、私も実際に対峙してみたが、確かに由美子に負けず劣らずの、良い加減ヘモグロビンと、根性バイタリティが体の中に流れているようだった。


「...そして保護者の皆さま。今日から私たちは同じ戦士です。これから色々な壁と出くわすことがあると思います。しかし、力を合わせて一緒に戦って行きましょう。」


 そしてこの流暢な喋り方。


 由美子の再来というカッコイイ言い方よりも、どちらかと言えば由美子2号というべきだろう。





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