流れ星に4回目の願いを呟く時。
 この町の桜は、他のどんな町で見る綺麗なものとは違っていた。


 この町には海が無い。


 でも、星空を映す川面は海になって、桜をどこかへと運んでいく。その先には特別な海があって、その海には誰かが誰かを想う、そんな強い想いがある。そこへ繋がっている。想いを繋いでくれる。


 私は今でも、カケルが好きだ。


 春の匂いを運ぶ風が舞い、桜は夜空に煌めく、星のようだった。


 私は諦めない。そんな想いが、そうさせた、いや、そう叫んでいる気がした。











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