私の小さな願い事
~依里~


高杉と、暗闇の中

新選組の屯所の前にいる

私の背中には、優里が眠っている


「すぐに戻りますから…」

「ん 待ってる」


私に負けてから、高杉は元気がない



高杉に教えて貰った、部屋を目指す


シュタッ


「歳三」

「はぁ~日に、二回も忍び込まれるとはな」

「え?特に危なげなかったよ?」

「だから、問題だって…」

「そんなことより!!歳三~優里を富沢さんに、お願いします!!
追われてるのは、私…
優里だけなら、新選組や富沢さんにお咎めないでしょ?
名前も変えて欲しいの…
今は、桜って呼ばれてるから!」

「依里 お前は、高杉と行くのか?」

「うん!!労咳らしいの
だから…看病してあげよっかなって!
それに、歳三とは戦いたくないから…」

「そうか… 桜か…
後で山崎に頼んで、富沢さんとこに連れて行かせる
依里…
お前は、俺の弟子だ
可愛い妹で、俺の大事な家族だ
忘れんなよ!?」


そう…

弟子で妹で、家族


「歳三、ごめん」


歳三に口づけをした


驚いて、凄い顔が引き攣っている


「歳三は、優のなのに… ごめんね

さよなら… 歳三


さよなら… 桜」




私は、屯所を出た





「お待たせ!!」


「桜…は?」


「江戸にお願いした」


「は? お前は?」


「高杉さんと行くって、言ったでしょ?」


「言ったか?」

「言った!もう…抜けてるんだから!!」



高杉さんは、私を抱きしめる

よく、こうされる


初めて会った時は、お伺いをしてくれた


今は、お伺いもなければ、許可もしてない


「離れて下さい!帰りますよ!」

相変わらず、ジタバタしても
抜けられない


ようやく離してくれて、屋敷まで戻る


桂さんが、起きて待っててくれた


「桂さん!!お願いがあります!!」


< 116 / 153 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop