私の小さな願い事

決断

俺達が試合をするとわかり、大勢が庭に

桂さんもいる


小桃は、男装して

木刀を振って、準備する


素振りの音で、小桃が強いことがわかる


「本気でやるからな」

「はい」

俺も、久しぶりに木刀を握る

負けるわけにはいかない

相手が女でも、手加減しない

小桃を連れて帰る!!!


「高杉さん、体術も忍術も得意ですが
私が一番得意なのは、剣術です
まだ、負けたことないので…」


俺を挑発するとは、大した物だ


「小桃!!俺は、負けねぇ!!!」



試合が始まると、小桃の目はまるで

獲物を狩る獣のようだった

そして、力は弱くても、的確に急所を
狙い、放たれる攻撃が早い


「高杉さんが、押されてる…」


野次馬がぼそっと呟いた声が、耳に届く


力では、敵わないことを知っているから

受け流したり、避けたりしても

受け止めることは、しない


戦い方を知っている



予想以上の強さに、挑発の意味を知る



そして、一瞬の隙を見て


俺の手を叩き、首筋に木刀が当てられた



「勝者 小桃!!」



江戸か…


負けたことよりも、小桃を手放すことが

何よりも辛い



皆の前で、小桃を抱きしめた


「やだなぁ~」

駄々をこね
とことん、かっこ悪い

「高杉さん!!行きましょう!!」


そうだな…


歳三に報告に行かなきゃな…



回りから、小桃を讃える拍手が起こる


「えへへっ」


無防備に笑うから、皆の顔が真っ赤

笑ってくれるのは、嬉しいけど

他の奴に見られるのは、嫌




ほら、桂さんまで赤い






「俺のだからな!!!」

「いつ、お前のになった?」

「ずっと前だ!!」



桂さんが呆れて笑う



いつまでも、ガキだと思われただろう



なんと思われても、小桃を誰かに渡すとか

離れるとか、本当に嫌なんだけど…











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