私の小さな願い事
兄への懺悔を思いながら、眠った翌日


すっきりと目が覚めた


「依里様!!!よかった!!
ようやく熱が下がりましたね!!」


嬉しそうな優… かわいい



「ごめんなさい」

「どうして謝るのです?」

「優… お嫁に行きなさいよ
私の世話なんて、貴方にはもったいないわ」

「依里様のおそばに遣えることが
私の幸せ!!依里様がお嫁に行かれて
さみしくなったら、私も嫁ぎます!!
それとも……私は、役不足ですか?」

「身に余る光栄です」

私は、優に頭を下げた


「だから!!頭を下げては、なりません!」


女中と隠密を器用に使い分けてる

優に助けられてばかりね



久しぶりに涙が出て、鼻水も出て

ぐずぐず言いながら、お粥を食べた



風邪が完璧に治った頃



「依里!!会いたかったぞ!!!」



産まれながらに体の弱い兄は、風邪が移ってはいけないと言われ、会いにこれなかったそうだ



「私も!!兄上にお会いしたかった!!」





仲むつまじい、私達を優が見て微笑む


「優がずっと看病してくれたの!!」

「ありがとう!!」

兄が優に頭を下げた


「いえいえ!!当然のことです!!
お二人とも、ヘンなところでそっくりですね!!私に頭を下げては、なりません!!」


「褒美をとらせよう!!何がいい?」


「では、依里様を!!」


「「は?」」


「ふふふっ 本当にそっくり!!
私をずっと依里様のおそばにいさせて下さいませ!!」


「あら!!それは、私が優にお願いすることよ!!優…私は、優がいなきゃダメだわ!
兄上!!いいでしょう!?」


ふわりと笑い


「仲が良い姉妹のようだね!!
いいよ!優に依里をお願いする!!」


嬉しい!!




「謹んでお預かり致します!!」









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