私の小さな願い事

山猿

~土方歳三~




夕餉の為、広間へ


皆が依里の所に集まるが…


「あんたら、誰?……歳三」


まるで人見知り

俺の後ろに隠れてしまった


依里にひとりづつ名前を教えていくと

一回で覚えた

そんで、すぐに仲良くなる


「依里!!一緒に食おうぜ!!」

「おお!!食おう!!」


今回、特に気の合う奴は、平助らしい


歳も近いだろうし


納得なんだけど……


「依里様が…… 山猿に戻ってしまった…」

ぎゃあぎゃあと平助と騒ぐ姿を見て

優が引き攣っていた


「いいじゃねぇか!元気いっぱいで!!」

「土方は、他人事だから……
依里様は、将軍の妹君なのですから!!
あのような振る舞いは……」

まぁ、わからなくもねぇが

俺の知ってる依里は、今の依里で

「徐々に記憶が戻っている、てことは……
今度は、大奥に戻って京に来る記憶が戻るわけか?」


「はぁ~ 
早く私を思い出していただきたいわ…」


食事が終わってからも、幹部らにもみくちゃにされて騒ぐ

「誰でもいいから、俺の部屋に連れてこいよ
優、先に戻るぞ」

「えっらそうに!!!」

「お前なぁ~ 俺に八つ当たりすんな!!」


依里のことを言えないくらい

優とぎゃあぎゃあ喧嘩しながら部屋へ



布団を敷き、その横でちょこんと座り
しょんぼりする優



「お前は、山猿の依里は、嫌か?」


書き物をしながら、優に聞いてみた


「好きです!どんな依里様でも、好きです!
だけど、私のこと…知らんぷりだから
さみしくて……」


「ふっ 素直じゃねぇか…」



笑ってしまった







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