私の小さな願い事
~依里~




この気持ちを恋と言うのだろう


歳三と優が抱き合っていた……


私も新八とそうしていたが、歳三が優と

よく口喧嘩してたけど、仲良くしてた


美男美女で、お似合いだと思う


優の幸せを望んでいたくせに

応援出来ない……


歳三が、また私と距離を開け

笑ってくれなくなるかも


歳三と優のことばかり考えてた



考えれば考えるほど


私は、自分の存在が邪魔になった



このまま、ここにいるわけにはいかない


逃げよう!!!


今度こそ……



真夜中に新八の部屋を四つん這いで抜け出した


裏庭の人が来ない場所で、ふぅっと一息

そして、立つ練習



足は、動かせるのに立てないはずがない


歳三の為

優の為



庭木につかまり、練習しているうちに

少し辺りが明るくなった



風に火薬の匂いを感じた


御所の方かな?


しっかり立てている


歩ける


気合を入れて、クルリと屋根上に上がる


それと同時に


ドオーーーーーン!!!!!


大砲の音


東宮様……




行かなきゃ……




私は、本来の早さではないけど

急いで御所へ向かった



東宮様… どうか、ご無事で!!!






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