恋の相手は強引上司
５年ぶりの恋実は少し大人っぽくなったけど雰囲気はあの頃と一緒だった。

一度しか会ってないのにここまで俺の脳裏に鮮明に記憶されている女は彼女だけだ。

これから自分の部下となるが

俺は・・・・普通でいられるだろうか。

入社したての頃全く会えなかったのは運がなかったことで

彼女を責めることなどできない。

それこそ彼女は俺の存在など全く憶えていないだろう。

だって出会いは単なる客だったんだから。


でもなるようにしかならないだろう。

恋実の写真を食い入るように見ていた西村さんが意外なことを言い出した。

「彼女さ、会社の人間とつるむの好きじゃなくてね。宴会とかもほとんど参加しないんだ。
だけど、今日は俺の送別会だから参加してくれる。だけど、たぶん途中で帰っちゃうよ」

「え？」

何がいいたいのかさっぱりわからなかった。

「彼女と話をしたいんだろ？」

「もちろん」

「・・・・だったら・・・お前今日の歓送迎会出るな」

「はあ？何言ってんですか？今日は俺と西村さんのー」

ための歓送迎会と言おうとしたが

「お前は無駄にイケメンすぎるんだよ」

「はい？」

「お前が来たら女子社員がだまっちゃいない。そのうち彼女はすきを狙って帰るだろうね～
そうなったらお前また彼女としゃべれなくなるぞ。５年間この日を待ってたんだろ？だったら
飛行機の到着が遅れてとか理由をつけて、歓送迎会は欠席し、その代わり
彼女が出てくるのを待つしかないと思うけど」

たしかに・・・西村さんの言う通りかもしれない。

どうせ俺の事なんか全く憶えてなんかいないはずだから

初めてを装ってきっかけを作った方が早いと思う。

彼女の事が好きだとか嫌いだとかそういった感情は

会えばわかるはずだ。

とりあえずは二人きりで話ができる環境を作るのが先決だ。
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