恋の相手は強引上司
だが

「ええええ?そう?とか言って今もじーっとみていたじゃないですか!
真壁さんも課長の良さに気づいたんですね」

「そ・・そんなこと」

「否定しなくていいですよ~~でも・・・私、今回は本気ですから」

「本気?」

「そう。実はさっきメーカーさんの春夏の展示会、うちの売り場から一人
土屋課長と行くことになって私、立候補したんですよ~~」

「はあ?」

いつも年に2回展示会があるが誰も行きたがらないから

私が行っているのに名取ってば一馬が行くから自分も行くっていうんかい?

「こういうチャンスは逃さないのが私のやり方なんです。展示会が終わったら
食事に誘ってそこで~~~」

名取は腰をくねくねさせながら一馬をゲットしようと企んでいるようだった。

「か・・いや・・・土屋課長は知ってるの?」

「もちろんですよ~~~」

「あっ・・そう。なんでもいいけど売り場の代表で展示会に行くんだから
ちゃんと仕事するのよ」

「わかってますって~~~」

絶対わかってねーだろと思いながらも私は軽く聞き流し

客注が入荷したことを連絡するためお客様に電話をかけた。

だが・・・この客注のお客様を巡って私のつらい過去がよみがえるとは

思いもしなかった。

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