恋の相手は強引上司

恋実の初恋・・・・中編


「ね?行こうよ~」

図書館デートが定番になりつつある8月のはじめ

翼君が1枚のウチワを私の前に差し出した。

そこには花火の写真と夏祭りの日程が書いあった。

そう、私は翼君から一緒に夏祭りに行こうと誘われた。

「でも・・・・」

もちろん即答などできなかった。

だって翼君だよ?

うちの学校の女子のハートを独り占めしてる彼と一緒に夏祭りになったら

絶対ばれてしまう。

それだけは絶対に困る。

困惑する私を見た翼君は私の頭をなでながら

「じゃあさ・・・・こうしよう。夏祭りの最終日に花火大会があるだろ?
実は穴場を知ってるんだ」

「穴場?」

「そう、会場から少し離れてるんだけど花火が凄くきれいに見れる場所があって
たぶん、知ってるの僕ぐらいだから・・・・そしたら誰にも見られずに済むだろ?
それだったらいい?」

「・・・・・それなら」

いいよという前に翼君は凄く嬉しそうにガッツポーズをしていた。

彼をここまで喜ばせるほど自分に魅力があると正直思えなかった。

初めて告白めいたことを言われた日の夜

自分の横顔を鏡を使って見てみた。

だけど翼君が言うほど横顔が綺麗だとは全く思えなかったし

今もなんだか地に足がついていないような感じだ。

だけど理由はどうあれ私を必要としていることは素直にうれしくかった。
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