恋の相手は強引上司
「名取、展示会も立派な仕事なんだからね。私たちの代表で行くって事
忘れないように」

「わかってますって~~」

本当かよ。絶対展示会の後の事しか考えてないよね。

って私もしかして一馬と行けなかったのを僻んでる?

「では、行ってきます。今日は直帰しますので~~~」

と言いながらなぜかピースサイン。

なんのピース?と思ったけど突っ込むのはよした。

名取が行った事確認すると

「じゃ~私1番行ってきます」

早番から遅番に変わったのでお昼の時間も最後。

私物袋をもって社食に行くためバックヤードに入ると

タイミングよくメールの着信が・・・もちろん一馬から

『早く帰れそうならまた連絡する。鍋食べたい』

鍋が絵文字になってるのがかわいくて思わず笑みがこぼれる。

名取には申し訳ないが早く終わってそのまま帰って着てくれることを願った。


だが私の願いは空しく・・・


仕事が終わり更衣室で着替えをしながらスマホを見るとメールが1件

早く終わったのかな?!と期待しながらメールを開くと

『申し訳ない、取引先のメーカーさんから誘われてこれから
名取も連れて居酒屋に行くことになった。なるべく早く帰れるよう
頑張るけど夕飯待たせるのは心苦しいから
鍋はまた今度。ごめん・・・・そのかわり必ず埋め合わせするよ』

埋め合わせはいいから帰ってきて欲しいって言うのが

本音なんだけど接待も仕事だし・・・・

いいよ。頑張って・・・としか返信できないでしょ~~

メールを返信すると一気にテンションが下がった。

何度も言うがちょっと前まではなんともなかったことが

好きな人がいるだけでこんなに気持ちに変化が出るなんて

思いもしなかった。

もしこれで出張とかに行かれたら私どうしちゃうんだろう。

悶々とした気持ちのまま会社を出た。
< 167 / 213 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop