恋の相手は強引上司

目から鼻から

勢いよくタクシーに乗り込み何の疑問も抱かず私は自分のマンションへと向かった。

そしてタクシーを降りて自分の住んでいる3階を見上げてハッとした。


一馬が必ずここに帰ってくるとは限らないという事を・・・・・


あちゃ~~やっちまった~~

私は思わずその場で頭を抱えた。

大体あんな現場を見て普通に私の部屋に帰ってくるだろうか?

翼君が一馬に凄く睨まれたというくらいだから

相当怒っているし、何事もなかったようにできるとは思えない。

現に私も一馬とテレサさんが目の前で熱い抱擁しているのを見て

怒りのレベルは激怒級だったもんな~~

だからと言って一馬のマンションはあの時以来で

住所までは知らない。

それに鍵。

一馬は私の部屋の合鍵を持っていない。

テレサさんの事は急だったし同棲と言っても1週間という

短い期間だったから作る必要はないと

敢えて渡さなかった。

だけどまさかこんな展開になるなんて思ってなかった。

こんな事なら短かろうが何だろうが

合鍵渡しておけばかえって来るかもしれなかったのに・・・・

明かりのついていない部屋を見て大きなため息と共に

さっきまでの勢いは何だったんだ?というほど

力が抜けた。


そして重い足取りで階段をのぼり自分の部屋へ向かった。
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