君のそばで会おう ~We dreamed it~
想太は頼んだビールを一気飲みした。
とげとげしい自分が顔を出さないよう、そして笑って可南子の過去の話を聞けるように・・・
「とりあえずは、異動の話は脇に置いときたいんだ。
今日は、可南子の過去の恋愛の話が聞きたいなと思って・・・」
可南子は少し怪訝な顔で想太を見た。
想太は話の持っていき方を失敗したと思った。
「どうして?」
可南子が聞いてきた。
「今日の面接の時に、可南子が色々な事があったって言ったろ?
色々な事って何だろうって、ずっと考えてたんだ。
俺なりに考えた結果がやっぱり恋愛関係なのかなって思った」
「話したくないって言ったら?」
「うん、でも、話してほしい。
可南子の過去を全て知っておきたいんだ」
「知らなくていいことだってあるんだよ。
私は、想ちゃんの過去を全部知りたいなんて思わない。
ちょっと知らないことがあるくらいの方が、人間的に魅力的じゃない?」