君のそばで会おう ~We dreamed it~
可南子は、いぶかしい目で想太を見ていた。
男の人は女の人に比べて単純というが、想太もそのくくりにしっかりと入っていた。
「でも、俺は知りたい。
じゃ、まずは、可南子が初めてつき合った人の話を教えて」
「本当に知りたいの?」
「うん・・・」
可南子は想太の気持ちが治まるのならと思い、学生時代の話を少しだけしようと思った。
「初めて男の人とつき合ったのは大学3年生の時。
違う大学の人だったんだけど、テニスのサークルが一緒だった。
でも、1年くらいしか続かなかったの。
大学卒業して、お互い社会人になったら中々会えなくなって、そのままみたいな感じ」
「ふ~ん」
想太は、必死に自分と戦っていた。
テニスをしている可南子を俺は知らない・・・
1年も続いているなら、もちろん最後までいってるはずだろ?
「ふ~ん」
想太は、自分が壊れてしまうのも時間の問題だと思った。
そのテニスのくそ野郎をぶん殴ってやりたい・・・