君のそばで会おう ~We dreamed it~



瀬戸は、最初から想太の事を気に入らなかった。
どこぞの大企業の御曹司が、企画マーケティング部の部長に就任したことは噂で聞いた。
自分の会社に戻るまでの腰かけで、この会社に入ったのは見え見えだ。


それでいて、可南子が教育係?
バカバカしい・・・
あり得ない・・・


可南子と別れて一年は経っているが、まだ瀬戸の可南子への想いは続いていた。



「可南子さん、今日、ご飯行きません?」


美咲は、早くこの重い雰囲気の場所から抜け出したかった。


「そうだね」


可南子はそう答えてから、チラッと瀬戸を見た。


「俺は、いいよ。

あ、それと、柿谷部長って普段は何時頃に会社を出る?」



「なんで?」



「なんとなく」


可南子は、また嫌な予感がした。
実は、この瀬戸修二も肉食系の独占欲保護欲に満ち溢れた男だった。


「部長は、今日はもう帰ったから」



「そっか・・・
分かった」




< 120 / 246 >

この作品をシェア

pagetop