君のそばで会おう ~We dreamed it~
「私は部長のことは小学校卒業までの事しか知らなかったの。
部長が言ったように、急にお互いの所在が分からなくなったから。
だから、私は、部長が中学校はどこにいたのか、高校、大学って何も知らなかった。
この間、久しぶりに再会してお互いの所在を初めて知ったんだから。
笑っちゃうでしょ?」
美咲は、ビールを飲みながら笑って泣いていた。
「美咲、どうしたの?」
可南子は美咲を見て驚いた。
「部長のあの話が本当だったんだって思ったら泣けてきて・・・
俺は、12歳で天涯孤独になったんだって笑って言ってました」
「美咲、そんなことない。
手を差し伸べてくれる優しい大人の人もいたんだから。
私は、子供の時から、部長の事を一度も不憫だとか可哀想だとか思ったことはないの。
部長はそういう運命の元に生まれてしまったかもしれないけど、でも、生き生きしてた。
私はそんな子供の頃の部長が大好きだった・・・」