君のそばで会おう ~We dreamed it~
「それは、その時は近くに可南子さんがいてくれたからでしょ。
その後の部長は可哀想すぎます・・・」
可南子は何も言えなかった。
その後の想太の事は、あまりよく知らなかったから。
「私、部長に、その初恋の女の子のどこが好きだったのかって聞いたら・・・」
美咲は酔うと泣き上戸になる。
でも、この涙は想太のために流している本当の涙だ・・・
「その女の子は、可愛くて、優しくて、俺が何をしても、何を言っても必ず許してくれる。
いつも俺を心配してて、俺を見ててくれるんだって言ってました。
可南子さんが、部長を愛してるのはすぐに分かります。
だって、今の可南子さんは、その時の女の子と何も変わらないんだもの・・・」
可南子は、戸惑った。
私は想太を愛している?
でも、私達はあの頃と何も変わらない。
想太は私が好き。
私も想太が好き。
そんな単純なものでいいのだろうか・・・