君のそばで会おう ~We dreamed it~
可南子の部屋は、温かい雰囲気の漂う素敵な部屋だった。
玄関には、優しい香りのアロマが置いてあり、廊下の先に見えるリビングも暖色の明かりが灯っている。
「狭くてびっくりしたでしょ?」
リビングのソファに座っている想太に向かって、可南子は聞いた。
「これで狭いの?
俺、あんまり女の人の家に入ったことないから分からない」
「本当に?」
「本当だよ・・・」
可南子は、テーブルに淹れたてのコーヒーを置いてくれた。
想太はコーヒーを飲みながら胸にこみ上げてくるものを感じていた。
「こういうのって、俺には縁がないことだと思ってた。
こんな温かい部屋で、可南子と一緒にコーヒーを飲むなんてね・・・」
「想ちゃん、大げさだよ」
「そんなことないよ。
俺はばあちゃんが死んで東京にきてから、家庭っていうのもを味わうことは全然なかったから」