君のそばで会おう ~We dreamed it~
「柿谷のおじさんも忙しい人だったし、俺の世話はお手伝いさんがしてくれた。
高校からは東京じゃないところに行ったから、ずっと一人暮らしだろ。
なんか可南子の部屋に来て、福岡でのばあちゃんとの生活を思い出したよ」
想太は、可南子の部屋を見回して幸せそうな顔をしている。
可南子はそんな想太の手からコーヒーを受け取ると、それをテーブルに置いた。
そして、可南子の方から想太に抱きついた。
「この間は、ごめんね・・・
想ちゃんの過去には興味はないって言って。
本当は、想ちゃんの過去を聞くのが怖かったの。
寂しい思いをしてきたことは分かってたから・・・
これからは、今の想ちゃんとちゃんと向かい合う。
本当にごめんね・・・」
可南子はそう言うと、想太の頬に軽くキスをした。
想太は、堪えきれずに可南子のくちびるをキスで封じた。
ソフトなキスとは到底言えないほど、激しく、長く・・・
想太はキスだけでやめなければとずっと心で唱えながら、可南子の吐息を酔いしれた。