君のそばで会おう ~We dreamed it~



瀬戸は、何も言えなかった。


可南子とつき合っている頃にも、よく可南子は子供の頃に大好きだった男の子の話をよくしてくれた。
ある日、瀬戸は可南子にこう言ったことがあった。


「そんなにお互い大好きだったのに、なんで会えないんだ?
今のネット社会だったらすぐに見つかりそうなのにさ。

もしかして、その男の子、もう死んじゃってたりして・・・」


可南子は、それから一週間泣き続けた。

瀬戸が謝ると、「修二君を怒ってるわけじゃない」と言った。


「私の心の中に、その不安はいつもつきまとうの・・・
死んだと思った方が楽なのかもしれないね・・・」


そう言って、可南子は泣き続けた。

















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