君のそばで会おう ~We dreamed it~



瀬戸は、もし、本当にあの男の子が柿谷部長であるのなら、自分には全く勝ち目などないと思った。


潔く、負けを認めるしかない・・・


「分かった」


瀬戸がそう言うと、可南子は涙を流していた。


「修二君、今までごめんね・・・
そして、ありがとう・・・

私、絶対に幸せになるから・・・」



「俺は、お前の話を信じるよ・・・

あの柿谷っていう男は、今でもあんまり好きになれないけどきっといい奴なんだろ?

それで、異動はどうするんだ?
俺を思ってのことだったら取り消していいんだぞ。

だって、長崎は遠いだろ・・・」


瀬戸は、可南子にはどうしても幸せになってほしかった。



「長崎は行くわ。
会社に迷惑はかけられないもの・・・」







< 154 / 246 >

この作品をシェア

pagetop