君のそばで会おう ~We dreamed it~



「部長、僕は何か納得できないんです。

そんな簡単な理由で、この本社でのキャリアや生活を手放すのかなって。

朝倉さんみたいに有能で真面目な人がもったいないじゃないですか?」


想太は山本の表情をずっと見ていた。


「ま、何か色々あったんでしょうね・・・」


山本は言葉を濁した。
内容が内容なだけに、自分がベラベラ話すことではないと思ったからだ。


「課長は何か知ってる感じですね?」



「いや、僕は何も知らないよ。
でも、ただ一つ言えるのは、朝倉さんには幸せになってもらいたい。
とってもいい子だからいい結婚をしてもらいたい。
それだけです」



「朝倉さんって、もう27歳ですよね?
今までそんな結婚とかいう話はなかったんですか?」


想太の質問に山本は黙り込んでしまった。
想太にとっては、それで十分だった。


可南子には結婚を考えていた男がいた・・・
そいつは、多分、この会社の人間か?


想太はもう一度可南子と話そうと思い、可南子へLINEでメッセージを送った。




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