美しき夜、北斗七星が輝く








だけど




「トーマがワタシに勝てるわけないもん!
えいっ」


「ぅわっ!?」




可愛い掛け声と共に莉々花が白羽くんを引っ張ると

白羽くんは簡単に前のめりになった




「ミヨ」


「うん?」


「今日だけはトーマを貸して?」


「……貸して?」


「今日だけトーマをワタシの案内係にしてほしいノ
だから貸して?」


「…………」


「ちゃんと明日になったら返すヨ
トーマもそれで承諾済みダヨ」


「……わかった
良いよ」


「アリガトウ!」




「行こうトーマ」と白羽くんを引っ張って行ってしまった

あたしはその仲良さげな後姿を眺めていた




「…白羽って簡単に女子に引っ張られるんだね」



一部始終を見ていた萌が呟く



「…白羽くん病み上がりだから
体力とかあんまりないんだと思うよ」


「…ふぅん……」







「断らないんだ…白羽」


「ん?
萌何か言った?」


「……ううん何も」





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