イジワル社長と偽恋契約
「正確には好きだったって言った方が正しいか」

「そうです…その通りですよ」


私は半ば諦めたように白状して、何度か頷いた後旭さんに目を向ける。






「好きだった相手とその嫁にあんな言い方されたらキツイだろ。さすがに腹が立って俺もあんなふうに言っちゃったけど…」

「嘘でも嬉しかったです。モヤモヤが吹き飛びました」


もう一度お礼を言うと旭さんは私をじっと見つめて、壁に手をつくとこっちに顔を近づけて来る。





「嘘じゃなかったら?」

「はい?」


思ってもいない事を言われた私は目を見開いて驚いてしまい、後ろに下がろうとしても背中は壁。






「いや何でもない」


旭さんはそう言って私から目をそらすと、私から離れて背を向けた。




「友達待ってるぞ」

「…はい」


まだドキドキが治まらない。

旭さんの後ろ姿を見てるだけで胸が熱くなる…

これは酔っているせいなのか…

それとも…?









それから皆でBARに移動した後も私は旭さんを意識して、恋人のフリをしていることもいつの間にか忘れていた。


それに…上司と部下という関係も…



自分の中に明らかな気持ちの変化に気付きつつ、私はそこから目をそらすのに必死だった…
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