イジワル社長と偽恋契約
でも今の口ぶりだ。

今日の社長は私の立てたスケジュールを聞いてくれるかもしれない…


私は仕事用のバックから慌ててiPadを出して、今日のスケジュールを旭さんの前で読み上げた。





「出社後まずはメールチェックに10時30分から社内で打ち合わせ後、取材が入っています。ランチの後は来客対応と午後の打ち合わせと15時からは経営会議、そして取材と夜はA社との会食が入っています」

「…午前と午後に入っている取材は何とかならないのか?取材なんて一度に済ませたい」

「はい!先程連絡致しましたところ、午前に予定していた取材を午後に回せるようなので、ランチの時間に余裕が出来そうです!なので行きたい所があったら何でもおっしゃって下さい!予約しておきますので」


私の立てた2パターンのスケジュールに、旭さんは一瞬キョトンとしたあと口元を緩めて微笑んだ。







「合格だ」

「ありがとうございます!」


初めて褒められた。

旭さんにそう言われるとまるで受験に合格したような気分。


やっと楽しさが蘇ってきた…

やっぱり私は仕事が好きだ。








「…はい。その件はまた後日に……ええ、その事なんですがこちらとしては…」


その日。

社長が取引先との電話中、受話器を耳に当てながら手元がどこか落ち着かない様子。
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