イジワル社長と偽恋契約
ボサボサの髪を手でとかしながらベット横の棚の上にある時計を見ると、時刻はまだ5時半を過ぎたところ…



なんだ…まだこんな時間なんだ。

それに今日は土曜日だから休みじゃん…


二度寝しようと思いもう一度布団に入ろうとすると、すぐ隣に違和感を覚えまた体を起した私は発狂する。






「ええ!なっ………」


私の隣に裸の旭さんが寝ていたからだ。

かなりびっくりした私はベットから飛び起きて、寝室の隅まで来ると落ち着いて今の状況を考える。




昨日は旭さんの自宅で散々飲んで…

その後は………えっと…あー覚えてない!


この状態じゃあ、私は旭さんの家に泊まったんだよね?

しかも同じベットに寝てるってことはもしかして…





「…朝っぱらからうるさいな。久しぶりの休みなんだからゆっくり寝かせろよ」



不機嫌なオーラを出しながら目をこする旭さんは、毛布がはだけて上半身が丸見えになっていてこのままだと危ない体制。






「なな何で裸なんですかっ!!!服着て下さいよっっ」

「寝る時はいつも上半身裸だ」


あくびをしながらベットから降りる旭さんは、言っていた通り下にスウェット生地の部屋着を着ていた。





「で?朝から何騒いでるわけ?」


私のいる部屋の隅に来る旭さんは、私にぐっと顔を近づけて来た。

寝起きの彼の顔をこんなに真近で見るなんて思ってもいない私は、心臓が破裂しそうなくらいドキドキする。





「いや…あの……社長が隣に寝ていたので驚いて…」


しかも昨夜の記憶があんまりないし、余計に色々驚くところがありまして…




「…俺から言わせれば俺のベットにお前が寝てる訳だから、その台詞はどっちかって言うと俺が言う方が正しくないか?」

「そうですけど…」
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