野崎兄弟のThousand Leaves(あかねいろ Thousand Leaves!番外編)
翌日、神夢くんは学校を休んだ。


木登りしながら、咲太郎くんに聞いてみた。

「神夢くんのこと、好き?」

「うーん…別にスキでもキライでもないっ」

「友だちなんでしょ?」

「友だちってゆーかさ、今まで二人しかいなかったんじゃん」

「じゃあ、友だちじゃないってこと?」

「ウ~ン、分かんないっ」


ダメだ、これは。

カラダは学年で一番大きいけど、まだコドモだ。


あーあ。

誰も合いそうなひとがいない。



楽器の授業はね、

自分でえらんで、別に授業料を払って週2回、個人レッスンを受けるんだけど、

すっごくきびしくて、みんな泣きながらレッスン室から出てくる。


ユイエリーちゃんて子は、本当に上手でテンサイ!と思って、ボクは本当にショックだったんだよ。

それでも先生と毎回、大ゲンカして出てくるんだ。


「もうワタシ、練習シマセンカラッッッ!」


コレが、ボク分からない。


怒られるのがイヤなら、練習するしかないのに。

あんなに上手だったら、もっと練習して、

そしたらもっと色んな曲が弾けるのに。


でもピアノの先生は、全員こわい。

ボクも実は泣いたことがある…


「咲太郎くん、ピアノの授業で泣いたことある?」

「うーん?ないっ!」

「ないんだ?」

「おぼえてないっ」


ふーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ…
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