野崎兄弟のThousand Leaves(あかねいろ Thousand Leaves!番外編)
なんで茜がオレを好きって気づいたかって言うと~、


茜ってバカじゃないと思うのに、

いっつも遅くまで教室に残ってベンキョーなんかしてんのね?


オレは、朝から行ける日があんまなくて、だいたい5限か6限になっちゃうから、

「ああ、今日は茜ダイジョーブかなー」って心配なんだけど、

放課後はちゃんと教室に戻ってきてベンキョーしてんの。


「オレ、今度台湾の大会に出るんだ」

「へぇ…」

「お土産、買ってくんね」

「あのさ、この間みたいなバカ重いキーホルダー?ストラップ?要らないから。食べものにして」

「あれ、島の神様なんだよ」

「この世にカミもホトケもねーや。台湾なら角煮買ってきて」


この間なんか、オレが行ったのがもう夕方の6時過ぎだったのに、まだ教室にいた。


茜はオレの顔を見て飛びついてきた。

「角煮は!?」

「あ、忘れた…けど、お土産」

「うわーハンカチ?地図になってる?うわー。コイツ、うわー…」

「重いのがイヤだって…」

「ああ、あれね。役立ってるよ。あれでチカンの顔ぶん殴ってやった」


茜が肩を落とした。


「この数日のドキドキ返せよ…」


これで、ピンときた。

「茜はオレのこと待ってんじゃネ!?」


つーことは、


「オレのこと好きなんじゃん!!」


くぅぅぅぅぅぅっっっ!!

ヤッパリな!

好きになっちゃうよな!

オレ、カッコいいもんな!

天才の兄ちゃんまで俺のこと「神」ってホメるし!


「母ちゃん、角煮!」

「これ、ガム!?へばりついちゃってるじゃないよぉ…」
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