紙飛行機~ラブレターの想い~
「なに?千夜」
千夜の視線が、なんだかいつもとは違う気がした。
どこか切なくて、不器用に揺れて、熱くて、苦しくて、胸に突き刺さる。
でも、胸に痛みはやってこない。
訪れるのはそう、なんと表現したらいいのかさえわからないほどの複雑な気持ち。
「いや、なんでもねえ」
千夜は無愛想にそう言うと、私たちの前から通り過ぎていった。
遠ざかっていく千夜の後ろ姿が、大人びて見えたのは気のせいだろうか。