双姫 Ⅰ

捕獲



『ふ~んふふんふ〜ん♪♪』


いつかと同じ様に
鼻歌を歌いながら路地裏へ足を進める。


あ、仮面つけなきゃ。バレるバレる(笑)


鞄の中をガサゴソと漁りながら
歩いていると


「い……………めて……ッ……!」


何か聞こえて足を止めた。


気配を殺し声がする方に進み覗く。


『…ッ!!』


そこには一人の女に四人で襲おうとしている姿。


学生だろうか。
制服と思われる服が破かれ、形を留めていない。


「ヤダ…ヤダー!!!!」


必死に抵抗しているが
男に女の力じゃ到底敵わない。


私は仮面をつけ、静かに歩みよる。


『なぁ、何してんだ?』


そして普通に声を掛けた。


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