双姫 Ⅰ
「あー?見て分かんねぇのかよ。
お楽しみ中だよ。お楽しみ中ー。」
男達は目の前の彼女に夢中なのか
こっちを見ず返事をした。
『じゃあ、俺も一緒に楽しんで良いか??』
その様子に内心呆れながら私も言葉を返す。
私の言葉を聞いた彼女は
絶望といった表情をし、
目からボロボロと涙を流した。
「良いぜ?お前も溜まってんのか。」
『あぁ、溜まってんだよ。
だから…お前らで発散させて貰うよ。』
ドカッ!!
男達から快く了承を得たので
近くに居た男から掴んで殴った。
はい、先ず一人。
「な、なんだてめ…!?」
「コイツまさか『双姫』!?」
『…あぁ?なんで知ってんだ?』
「黒い仮面『黒双姫』だ!
情報は本当だったのかよ!!」
『黒双姫』?
そんな名をつけた覚えは無いんだけど
この様子からすると『蛇蝎』が情報を流したか。
流したのはあの三人だな。
まぁ、そんな事はどうでも良いとして。