双姫 Ⅰ


グラウンドに行くと
女子はテニス、男子はサッカーをしていた。


『え…別々なんだ……。』


「そのようですね。」


「マヂかよー!」


「えぇ~?朱音と別なの??」


「んだよ、サボった意味ねぇじゃん。」


「朱音…どうする?このままサボっちゃう?」


体育はしたい。

でも、女子で話した事ある子居ないし。
数学は説明しただけだから
仲良くなった訳じゃない…。


私が悩んでいると、


「あ!神崎さーん!!」


ラケットを持ったまま手を振る数人の女子。

そして、こっちに走って来た。


「サボってるのかと思った!
体育するなら一緒にしようよ!!」


声を掛けて来たのは数学の時に
私の説明を熱心に聞いてた女子だった。


「さっきの数学ちょー助かった!」

「説明上手かったよね!!」

「てか、藤先より教え方上手い。」


『あ、ありがとう…。』


この子達
他のクラスの女子と違ってパンダじゃない…。


周りを見るけどパンダは一人も居なかった。


「神崎さん、今パンダ探したでしょ!」


『え!?』


なんで分かったの?もしや…エスパー?


「私達もよくそうやって探してたもん!」

「あれは凄いよね…。」

「する意味が分かんないもんね。」


この不良校に珍しい人が居たもんだ…。


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