双姫 Ⅰ


「…そうですか。
紘、人助けなら仕方無いですよ。
無事なんですから今は良しとしましょう。」


「もう、朱音が居なくなって
すっごく不安だったんだからね!」


『ごめん…実基姉。』


「本当に世話のやける妹だ…。
でも、動きが無いからと言っても
油断は禁物だからな。

お前ら常に周りに気を付けろよ。」


『分かった。』


「こっちの下っ端にも言っておく。

朱音、疾風も心配してたぞ。
お前からちゃんと話せよ?」


あ、忘れてた。
疾風とはあんな別れ方しちゃったもんな。


『うん、ちゃんと謝る。』


いつの間にかこんなに大切な人が出来てたんだ。


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