双姫 Ⅰ


類side


俺は今、学校をサボって街をさ迷ってる。


理由?
そんなの蒼翔を探してるに決まってる。

玲は「諦めろ」って言ってたけど
あの紘って奴なんか引っかかる…。


街をウロウロしてたら見付かるって
思ってたけど甘かったかな。


「…蒼翔。」


「あの~お兄さんお一人ですかぁ?」


突然湧いて出たように群がる女達。
自分でも身体が硬直するのが分かる。


「うわぁ~すっごいイケメンですねぇ?」

「私達とお茶でもしませんかぁ??」

「もろタイプぅ♡」


ウザったいくらいに猫なで声で話す女達。
俺は女が嫌いだ。

皆アイツに見えるんだ。

俺の母親に。

そう考えるうちにドンドン近付く女。


「来るな…ッ!!」


俺は震えた声で拒絶した。


類sideEND


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