双姫 Ⅰ


『相変わらず人が多い…。』


私は今ブラブラと街を歩いている。

本当はこんなとこ居たくないんだけど
来なきゃいけない理由がある訳さ。


おっと、信号赤だった(笑)


『……ん?』


あの後ろ姿どっかで見た事あるよーな。
無いよーな?


「私達とお茶でもしませんかぁ??」

「もろタイプぅ♡」


うっわ…。
何あの声キモ過ぎてウケる(笑)

てか、男かわいそー…ん?震えてる??


男の様子が気になって
顔が見える所まで移動する。


『……類??』


間違いない、類だ。

そうだ…類は女嫌い。
明らかに顔色が悪く、真っ青。


…めんどい、ほっとこ。


そう思った時、
タイミング良く信号が青に変わる。

行こうと足を踏み出した時、


「来るな…ッ!!」


類の震えた声が聞こえた。


『あ゛ぁ~~!仕方無いなぁ!!!』


私はUターンし、類に駆け寄った。


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