魔王vs神王→私!?
第十五章





 ー神王の城ー






 次第に視界が明瞭になっていく










 そこが天界の城なのだということがわかったところで、私は手を引かれた












 必然的にシオン様の腕から引き剥がされる







 『!?』







 そして煙の巻く中、シオン様とは反対の方向へ連れて行かれかけていた








 この人が誰だかわからないことへの恐怖が私を襲う
 
 






 『ッ、シオン様・・!?』









 後ろを振り返って叫ぶと、手を引いた相手は息をのんだ









 「ユーリ!!!」










 シオン様が、私の方に手を伸ばす











 その手を、とりたい。








 ありったけの力で、掴まれた手を振り払った










 「結莉先輩・・・!?!?」









 『っえ?奏・・・くん・・・?』
 









 シオン様の腕の中に飛び込んだ私は、聞き覚えのある声に思わず後ろを振り返り、
声の主である彼を凝視した











 いつの間にか視界は良好、いつも通り










 その鮮明な視界で、見間違えるはずがない












 そこにいたのは











 神王の王冠を被った、奏くんだった









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